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愛したカノジョは指名手配

第8章 桜庭淳平①

「ヘアサロンSAKURABAです。よろしくお願い
します」

会社帰りのOLや学生にひたすらビラを配る。

たまに来る客といえば中年の女が主で
白髪染めや流行らないパーマばかりで
飽き飽きしていた。

「ヘアサロンSAKURABAです。よろしく
お願い……」

ビラを手にとってもらえなかった。

こんなことは日常茶飯事であり追ってまで
ビラを渡そうとはしない。

だが、俺の前を小走りで通過した女は
綺麗な黒髪を颯爽となびかせていた。

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