
ちよこれいと
第1章 ちよこれいと
「そんなに遠くちゃお茶飲めないよ」
そ、そうですね。
なるべくゆっくり立ち上がって、すこーし先輩に近づく。
「もう少し、こっちにおいで?」
先輩とお茶と一人分開けて私。その距離に先輩が苦笑い。
でも、私にはこれぐらいがちょうど良い。
動かない私に先輩が小さく嘆息。
「お茶、届く?」
お盆をそっと私の方へ押してくれる。
オフホワイトとモスグリーンのマグカップ。
「はい。ありがとうございます」
お礼を言って、手前のオフホワイトのマグカップを受け取った。アールグレイの爽やかな薫り。
「良い薫り」
思わず言葉が口に出た。
「そう?良かった。でもマグカップでゴメンね。」
……そういうの、気にするんだ。
「たくさん飲めて、嬉しいです」
私の応えに先輩がクスリと笑った。手に取ったマグカップに息を吹き掛ける。
思わずその様子を見てしまう。
すぼめた口。何度も何度も吹き掛けて、やっと口付けた。と思いきや直ぐに放す。
「ぁちっ」
……先輩、猫舌?
私と同じですね。
ちょっと親近感。嬉しい。
「なぁに?そんなに見つめられると、穴が開いちゃうよ」
マグカップに口をあてたまま、目線だけ私に流す。
ズルい。
その視線……クラクラ、します。
そ、そうですね。
なるべくゆっくり立ち上がって、すこーし先輩に近づく。
「もう少し、こっちにおいで?」
先輩とお茶と一人分開けて私。その距離に先輩が苦笑い。
でも、私にはこれぐらいがちょうど良い。
動かない私に先輩が小さく嘆息。
「お茶、届く?」
お盆をそっと私の方へ押してくれる。
オフホワイトとモスグリーンのマグカップ。
「はい。ありがとうございます」
お礼を言って、手前のオフホワイトのマグカップを受け取った。アールグレイの爽やかな薫り。
「良い薫り」
思わず言葉が口に出た。
「そう?良かった。でもマグカップでゴメンね。」
……そういうの、気にするんだ。
「たくさん飲めて、嬉しいです」
私の応えに先輩がクスリと笑った。手に取ったマグカップに息を吹き掛ける。
思わずその様子を見てしまう。
すぼめた口。何度も何度も吹き掛けて、やっと口付けた。と思いきや直ぐに放す。
「ぁちっ」
……先輩、猫舌?
私と同じですね。
ちょっと親近感。嬉しい。
「なぁに?そんなに見つめられると、穴が開いちゃうよ」
マグカップに口をあてたまま、目線だけ私に流す。
ズルい。
その視線……クラクラ、します。
