
ちよこれいと
第1章 ちよこれいと
いつも先輩を見ていたの。
久富先輩と笑い、ふざけてじゃれ合う先輩を。
早いサイクルで変わる女子と仲良さそうに帰る先輩を。
私はただ、見てるだけ。
久富先輩と一緒の時は私とも話してくれるけど……
一人の時は例えば廊下ですれ違っても、偶然外で出会っても、先輩はいつも素っ気ない。面倒そうに短く挨拶を交わすだけ。
他の子みたいに、親しく話し掛けてはくれない。
それがとっても悔しくて、意地悪されてる気分になって……
先輩のこと、大嫌いだった。
なのに先輩の姿を探してて、私を見てって思ってた。
ね、先輩。
……先輩の好きは何人いるの?
私はその中の何番目?
言ってもらえてあんなに嬉しかったのに、今は胸がギューッて苦しいよ。
泣きたくないのにこぼれる涙。
先輩の指が涙を拭う。
大きな手、温かい。
眉ねの寄った心配そうな目が私を写す。
その手のぬくもりと優しい眼差し。
先輩が欲しいのはチョコじゃない。私なんだって思いたい……
先輩の好きを、信じたい。
久富先輩と笑い、ふざけてじゃれ合う先輩を。
早いサイクルで変わる女子と仲良さそうに帰る先輩を。
私はただ、見てるだけ。
久富先輩と一緒の時は私とも話してくれるけど……
一人の時は例えば廊下ですれ違っても、偶然外で出会っても、先輩はいつも素っ気ない。面倒そうに短く挨拶を交わすだけ。
他の子みたいに、親しく話し掛けてはくれない。
それがとっても悔しくて、意地悪されてる気分になって……
先輩のこと、大嫌いだった。
なのに先輩の姿を探してて、私を見てって思ってた。
ね、先輩。
……先輩の好きは何人いるの?
私はその中の何番目?
言ってもらえてあんなに嬉しかったのに、今は胸がギューッて苦しいよ。
泣きたくないのにこぼれる涙。
先輩の指が涙を拭う。
大きな手、温かい。
眉ねの寄った心配そうな目が私を写す。
その手のぬくもりと優しい眼差し。
先輩が欲しいのはチョコじゃない。私なんだって思いたい……
先輩の好きを、信じたい。
