
ちよこれいと
第1章 ちよこれいと
「じゃあオルカのチョコ、僕にちょうだい」
また、笑顔。
チョコなんて、もうたっくさんもらってるでしょう?
今さら私からもらって、どうするんです。
甘い笑顔で私を見ないで。
……私、知ってるんです。
先輩が山野先輩とホテルから出て来たこと。
藤崎先輩と部室に籠もっていたこと。
飯塚先生と旅行に行ったこと。
去年は去年で華やかだけど、これ全部今年の話。年が明けて、一月半の間の話。
そのリストに私を加える気ですか?
「誰にもあげないって、決めてるんです」
「うん、じゃあ僕だけ、特別」
首に腕を絡めて、ウィンクされてもあげません。
私の特別なんて、先輩には必要ないでしょう?
「嫌です」
「つれないなぁ。僕はオルカの特別になれない?」
先輩はとっくに特別です。
でも、本気でそう願ってくれてる訳じゃないでしょう?
だって、少しも残念がってないじゃない。
先輩との距離が近すぎて、少し顎を上げたら、唇が触れてしまいそう。
そろそろ色々限界です。
先輩、離してもらえませんか?
「チョコは他の方にお願いして下さい」
「僕はオルカのチョコが良い」
……ホント、ズルい。
吐息を感じるこの距離で、そんな言葉を囁かないで。
また、笑顔。
チョコなんて、もうたっくさんもらってるでしょう?
今さら私からもらって、どうするんです。
甘い笑顔で私を見ないで。
……私、知ってるんです。
先輩が山野先輩とホテルから出て来たこと。
藤崎先輩と部室に籠もっていたこと。
飯塚先生と旅行に行ったこと。
去年は去年で華やかだけど、これ全部今年の話。年が明けて、一月半の間の話。
そのリストに私を加える気ですか?
「誰にもあげないって、決めてるんです」
「うん、じゃあ僕だけ、特別」
首に腕を絡めて、ウィンクされてもあげません。
私の特別なんて、先輩には必要ないでしょう?
「嫌です」
「つれないなぁ。僕はオルカの特別になれない?」
先輩はとっくに特別です。
でも、本気でそう願ってくれてる訳じゃないでしょう?
だって、少しも残念がってないじゃない。
先輩との距離が近すぎて、少し顎を上げたら、唇が触れてしまいそう。
そろそろ色々限界です。
先輩、離してもらえませんか?
「チョコは他の方にお願いして下さい」
「僕はオルカのチョコが良い」
……ホント、ズルい。
吐息を感じるこの距離で、そんな言葉を囁かないで。
