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ちよこれいと

第2章 おまけ

織歌の顔、少し赤くない?
気のせい?
紅茶が熱いから?

じっと見詰めていたら織歌がふわりと微笑んだ。その柔らかな笑みにドキッとする。
そのまま俺を見て欲しくて、トレンチを押して距離を摘めた。

「オルカ、紅茶好き?」
「え?あっはい。好きです」

振り返った瞬間に固まった笑顔。
胸がズキッと痛む。

「そんなに僕怖い?」
「イヤ、その……色々……」

口ごもられて、さっきのやり取りをまた後悔した。

「……何言いたいか、想像出来るし……否定もしないけど……」

遊んでたのは事実だ。後悔したって始まらない。
でも

「うちに呼んだの、オルカが初めてなんだよ?」

それもまた、事実。
プライベートな空間に女の子を連れて来たいって初めて思った。
織歌が瞬きをして俺を見てる。

「オルカには、何もしない」

警戒を解いて貰いたくて言ったのに、なぜか曇った織歌の表情。

…………

一瞬頭を過ったのは俺の願望。

「ね、オルカ……もしかして今、がっかりした?」

恐る恐る聞いた問いは

「なっ!してません!」

大きく手を左右に振りながら否定されてしまった。

「違うの?」
「違います」

……だよね。

「なんだ……残念」

未練がましくこぼれた言葉にまた後悔した。

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