
ちよこれいと
第2章 おまけ
だから、後悔はしても遅いんだって……
自分のダメっぷりに落ち込んで、気を取り直そうとマグカップを手に取った。
チラチラと俺の様子を伺いながら、織歌が急いで紅茶を飲んでいる。
…………
しくじったのは自分。分かってる。
でもさ、そんなに急いで帰ろうとしなくても良いんじゃね?
「気に入らない」
トレンチを避けて、織歌の手からマグカップを抜き取った。
「えっ?」
見上げてくる織歌の目が大きく開かれる。
ずり下がった彼女。マグカップをトレンチに置き、距離を詰めた。
「チョコ、いらない。織歌、ちょうだい」
それは本心。
欲しいのは織歌の心。ただ一つ。
後ろに下がろうとした織香の右手を左手で押さえ、勢い余って身体が傾いだ。逃れようとしてバランスを崩した織歌が後ろに倒れる。その上に俺も倒れ込みそうになって、右手を付いて何とか身体を支えた。
ビクッと肩を竦めた織歌。俺を見上げる瞳に宿るのは怖れと怯え、それに不安。
そんな顔、させたくなかった……
ズキズキ痛む胸の奥。
織歌は俺の下で微動だにしない。真っ直ぐ俺を見上げてくる。
俺は何も言えず、ただ織歌を見下ろしていた。
でも……程なく織歌が警戒を緩めた。
自分のダメっぷりに落ち込んで、気を取り直そうとマグカップを手に取った。
チラチラと俺の様子を伺いながら、織歌が急いで紅茶を飲んでいる。
…………
しくじったのは自分。分かってる。
でもさ、そんなに急いで帰ろうとしなくても良いんじゃね?
「気に入らない」
トレンチを避けて、織歌の手からマグカップを抜き取った。
「えっ?」
見上げてくる織歌の目が大きく開かれる。
ずり下がった彼女。マグカップをトレンチに置き、距離を詰めた。
「チョコ、いらない。織歌、ちょうだい」
それは本心。
欲しいのは織歌の心。ただ一つ。
後ろに下がろうとした織香の右手を左手で押さえ、勢い余って身体が傾いだ。逃れようとしてバランスを崩した織歌が後ろに倒れる。その上に俺も倒れ込みそうになって、右手を付いて何とか身体を支えた。
ビクッと肩を竦めた織歌。俺を見上げる瞳に宿るのは怖れと怯え、それに不安。
そんな顔、させたくなかった……
ズキズキ痛む胸の奥。
織歌は俺の下で微動だにしない。真っ直ぐ俺を見上げてくる。
俺は何も言えず、ただ織歌を見下ろしていた。
でも……程なく織歌が警戒を緩めた。
