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ちよこれいと

第2章 おまけ

理由は分かんない。
和らいだ顔付きにほっとして、力が抜ける。頭が下がり、織歌と額が重なった。
触れ合う直前、下ろされた織歌の目蓋。その縁で長い睫毛が小さく震えてる。

あぁ、可愛いなぁ……

「オルカ、キスしても良い?」

無意識に口にしていた願い。

「だっダメです」

焦る間もなく、アッサリサックリ切り落とされた。

何血迷った事聞いてんの?
ダメって言うか、嫌に決まってんじゃん!
付き合ってもなけらば、好きでもない。無理やり家に連れ込んで、何もしないと言いつつ押し倒す。
そんな男、サイテーだろ。

サイテーついでに、馬鹿な質問を投げ掛けて、ギクシャクするのを辛うじて免れた。

あぁ、ヤバかった

名残惜しい気持ちを払うため、額をぐりぐりと押し付けて。ゆっくりと頭を起こした。
緊張しながら目蓋を開く。
目が合う寸前、織歌が不自然に視線を反らした。ほんのりと赤く染まる頬。

…………

「ねぇ、オルカ。……ドキドキ、した?」

聞いてる俺の心臓の方がきっとドキドキしてる。
でも、一瞬にして真っ赤になった織歌。顎を引いて固まって

「しま……した」

小さな声で呟いた。

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