
ちよこれいと
第1章 ちよこれいと
突然ヒュウと風が吹いて、木の葉が一枚玄関の中へ入ってきた。
あ、せっかく綺麗な玄関なのに。
咄嗟に木の葉を拾おうと、中に足を踏み入れて。
急に視界が暗くなった。背後で扉の閉まる音して、カシャンと鍵が掛けられる。
あ……
「いらっしゃい」
耳を擽る先輩の声。
背筋をゾクリと何かが這い上がる。
やっぱり上がるのはマズかった。
固まった私の脇を擦り抜けて、先輩は先に中へ。
パチリと玄関の明かりを点けて、スリッパを出してくれる。
「どうぞ」
白とグレーのストライプ。
「中、エアコンつけてくるから、上がっておいで」
スリッパをじっと見つめていると、頭の上から先輩が言った。
そのままクルリと向きを変えて奥へ入っていく。
あ、私のカバン……
一緒に持って行かれるカバンを追って先輩の背中を見つめる。
どうしよう。
足元のスリッパに視線を落とし、また、動けない。
チョコ、渡さなきゃ……
カバン持って行かれちゃったし、お邪魔しますって言ったの私だし、スリッパ出してくれてるし……
何だか思考がぐるぐるしてる。
「なーに?迎えに来て欲しかった?」
先輩の声がして、目の前に手が差し出された。
さっきまで繋いでいた、手。
「ほら、上がって」
チョコ、渡す約束したもの。
お茶をいただくだけだから……
あ、せっかく綺麗な玄関なのに。
咄嗟に木の葉を拾おうと、中に足を踏み入れて。
急に視界が暗くなった。背後で扉の閉まる音して、カシャンと鍵が掛けられる。
あ……
「いらっしゃい」
耳を擽る先輩の声。
背筋をゾクリと何かが這い上がる。
やっぱり上がるのはマズかった。
固まった私の脇を擦り抜けて、先輩は先に中へ。
パチリと玄関の明かりを点けて、スリッパを出してくれる。
「どうぞ」
白とグレーのストライプ。
「中、エアコンつけてくるから、上がっておいで」
スリッパをじっと見つめていると、頭の上から先輩が言った。
そのままクルリと向きを変えて奥へ入っていく。
あ、私のカバン……
一緒に持って行かれるカバンを追って先輩の背中を見つめる。
どうしよう。
足元のスリッパに視線を落とし、また、動けない。
チョコ、渡さなきゃ……
カバン持って行かれちゃったし、お邪魔しますって言ったの私だし、スリッパ出してくれてるし……
何だか思考がぐるぐるしてる。
「なーに?迎えに来て欲しかった?」
先輩の声がして、目の前に手が差し出された。
さっきまで繋いでいた、手。
「ほら、上がって」
チョコ、渡す約束したもの。
お茶をいただくだけだから……
