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ホントに天使!?【完結】

第12章 せつない気持ち




「あ~、楽しかった!」



帰りの電車の中でも、ご機嫌なマヤはニコニコしながら、手元のイルカ型の風船を見つめた



「マヤちゃん、結構体力あるんだね」



隣に座っているクウヤが苦笑する

1日がかりで、遊園地内のほとんどの乗り物を制覇するという強行を体験したからだ



「だって、全部乗るために造られてるんでしょ?

乗らなきゃもったいないですよ」


「はははっ」



思わず笑ったクウヤは、マヤの手にしたイルカをつつく



「風船、割れないといいなぁ」


「これは割れないよ」


「本当?どのくらいもつのかな」


「マヤちゃんが、コッチにいる間は・・・・しぼまないといいね」



さり気なく口についた言葉が、クウヤ自身の心に重くのしかかる



「・・・・・・10日、か」



呟くクウヤの声が聞こえたか聞こえなかったのか、マヤはイルカを見つめている

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