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ホントに天使!?【完結】

第12章 せつない気持ち



街の外れにある遊園地は、平日にも関わらず、そう混むこともない穴場だったおかげで、並ぶこともなく堪能でき

終始笑顔のマヤを見ているだけで、クウヤの心は満たされた


マヤとの時間を過ごす度に、クウヤの中のマヤの存在が大きくなってゆくことを抑えられない



クウヤは苦悩していた




『――――次は○○駅・・』


もとより空いていた車内が、数えられる程度の人数に変わる



静かな車内の走行音と微かな振動が心地良い



「・・・・私、大好きです」


「――え?」



ぼんやりとしていたクウヤの耳に届いた言葉に、ハッとしたようにマヤを見つめる



「やっぱり大好きです。人間界」


「あ・・・・」


「遊園地も、電車も。電車の中から見える景色も

下から見上げる青い空、雨が地面に落ちる音、その地面に咲くタンポポ、みんながくれる優しい気持ち」


「優しい気持ち・・・か・・」


「あと、このイルカも」



イルカを顔の前まで持ち上げ、泳がせるマネをする


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