ホントに天使!?【完結】
第12章 せつない気持ち
イルカの向こう側から顔を出すマヤの笑顔は、とても無邪気に見えた
クウヤは何も言わず、マヤの手を握りしめる
今は‥‥せめて、彼女といる時だけは、何もかも忘れていたい
彼女が天使である事も
10日後には帰ってしまう事も
俺じゃない奴を、想っている事も―――
「マヤちゃん・・・・外食して帰る約束だったけど
変更してもいい?」
「はい。構いませんよ?どうかしま――」
「早く2人になりたい」
繋いでいる手に、ギュッと力をこめ、クウヤは真っ直ぐにマヤを見つめる
「早く、マヤちゃんを抱きたい」