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暗闇の向こう側

第2章 向こう側は…

相葉side

マネージャーに家まで送ってもらい、部屋に帰ってくる。誰もいない部屋、数時間前までコンサートしてたとは思えない。音のない、真っ暗な部屋。

寂しいから全部の部屋の電気を無駄につけてまわる。
コンサート終わりにシャワーもできなかった、お風呂にお湯を入れる。
その間に洗濯をしたり、干しっぱなしの洗濯物を片付けたりしていると、携帯が鳴る…

もう12時過ぎてるのに電話??
誰だよ…表示を見ると大ちゃんだった。
さっき一緒だったのに??

相「はい、どうしたの??」

智「明日休みだから泊まりに行っていい??飲まない?」

相「疲れてるし、眠たいでしょ?」

智「もう、タクシー乗った」
それ、もう強制じゃん。拒否権ないでしょ?

相「それ、断れないじゃん(笑)、わかった」

智「着いたら電話するから開けてね」
10分後に部屋のインターフォンがなる、モニターを見ると大ちゃんだった。ロック解除する。
すぐに部屋のチャイムがなった。

ドアを開けにいくと大ちゃんがビールと荷物を持ってきている。

相「何その荷物??」

智「絵の道具、描かないとダメだから…」

相「明日、家でゆっくり描くつもりだったんじゃないの?いいの?ここにきてて?」

智「大丈夫なんじゃないの、だから持ってきたの?汚さないからいい??」

相「いいけど…」
そこまで気を使わせてることに、こっちが気をつかうよ。

智「そんな顔しないでよ、俺は相葉ちゃんと飲みたいから来たの。もう顔にすぐに出ちゃってるよ(笑)」
俺の頬を細い綺麗な指で突いてくる…

お風呂のお湯が溜まった音が鳴る。

智「お風呂??」

相「入った??」

智「忘れてた。入ってないや」

相「忘れてたの?(笑)あれだけ汗かいたのに。先入る?」

智「一緒に入ろうか…」
えっ、なんて??聞き間違えたのかな…

相「え?」

智「一緒に入る?」
どういう意味なんだろう、いつものふざけて入るって意味かな…、セックスすることも含めてって意味…
下を向いて表情が読めないけど…。

相「あの…その…」
答えに困るだろう…どっちなの…俺を見てくれない。

智「どうする?一緒に入る?やめとく?」
一緒にお風呂なんて入って俺が耐えられるのかな…、どっちの意味でも耐えられる自信がない。
どうしよう…しばらく沈黙が続いた。

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