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マーメイドな時間

第25章 野田目幹太と寿司屋の親方

 親方は、人魚が入った生け簀を指差した。


「私はここと、厨房の生け簀に人魚の稚魚を入れ替え、育てました。その後、男性人魚と女性人魚は息を引き取りました」


「じゃ、その稚魚を育てて売ったんですか?」


「何匹か海に帰しました。自然の人魚もいていいだろうと。ですが、稚魚はなかなか育たないんです。1センチも満たない人魚が5センチになるまで、3年もかかりました。その間、寿司屋を頑張って、借金も少しずつ払っていきました。まったく儲からない。人魚に騙されたんだ」


「じゃ、人魚を育ててる分、費用が大変じゃないですか」


「そうなんですがね、それから、的屋をやってるって方が客として店に来まして、話をしてましたら、人魚の稚魚に食い付いたんですよ。それで縁日で人魚すくいをするからってんで、3000匹ほど人魚の稚魚を売ったんでさぁ。それでも15万だがね」


「人魚すくい!? 金魚じゃなくて?」



「それに、ここ最近、ある秘密がわかったんでさぁ」


「秘密?」


「人魚達は夜中に歌を歌う。だが、その歌は特定の人間にしか聞き取れねぇんだ」


「それは?」


「あんた、血液型はAB型だろ」


「っ!!」


 なんで、わかったんだ?



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