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マーメイドな時間

第1章 部屋に……

 隣には、僕の視線を落ち着かせない美女がいる。


 これが、母が紹介してくれた家庭教師なのだろう。


 髪は、少し茶色がかかった長めのウェーブヘア。


 顔はそれこそ、僕の名前から夫抜きの漢字二文字を、差し上げたいくらい。


 清楚な顔立ち。着エロ動画に出ていても、おかしくない。


 だが、少し……いや、大幅に不自然なことが数点。


 それは……。







 上半身裸で、胸にはヒトデが貼り付いている。


 なぜ、そこだけ?


 隠すなら、全部隠しなさいよ。ちょうどいい形の膨らみが、生肌直撃で確認出来るんですが……。


 しかも、そこは貝じゃだめなの?


 なぜ、ヒトデをえらんじゃったかなぁ……。


 さらに、腰から下……全部ウロコに……。


 まさか……いや、自分が思ってるだけじゃ伝わらない。直接、聞こう。


「先生、魚ですか?」


「くだらない質問しないの。はい、ここのxとyの値を求めて……出来たら呼んでね。私は次の問題確認してるから」


 中身、バリバリの家庭教師だ。


 この先生……ぶっちゃけ、伝説のアレだろ。


 いや、この時点で伝説じゃなくなってるし、その世紀の大ニュース的な瞬間を、自分の部屋で見るなんて……。

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