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マーメイドな時間

第6章 ホテルヘルスに……

「いや、すごいねぇ。人魚姫さんだぁ〜、あははは」



 生臭い……。


 猫の吐く息と、同じ匂いがする。


 ここまでリアルにしなくても、よかろう。


 とりあえずまずは……。


「先にシャワー浴びたら」とすすめてみた。


 焦らない焦らない。


「えっ!? いいんですか?」


「どうぞどうぞ、僕は先に入りましたから」


「……あ、じゃあ、入らせてもらいます」


 僕は来てすぐに入ったさ。


 彼女には入ってもらわないとね。


 生臭いし。離れると、寿司屋のエプロンと同じ匂いがしたもん。


 ちょっと、そこはね。


 さて、ちょっと覗いちゃおうかなぁ〜。


 ゆっくりと、音をたてずに浴室まで移動。


 カゴに目を向けた。


 おおーっ!!


 シャコ貝をはずしてるじゃありませんかっ!!


 ……て、ことは、でっかいお乳をプルゥーーンと、放り出してるわけだ。


 いかん、よだれが……。


 ……


 ん?


 あらっ?



 尾びれは脱いでないの?


 どこにも見当たらない。


 いや、別にあったから、どうって話ではない。


 鼻に押し当てて匂いを楽しもうなんてことは、まったく思ってない。



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