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マーメイドな時間

第16章 記者会見で……

 天龍源はさらに続ける。


「今回、私が外の世界に出て、このような公の場で、会見をいたしますのは、皆様にお伝えしたいことがあってのことです」


 会場はシーンと静まりかえる。


 なにを語るのだ?


 ひょっとしたら人類の危機を感じてのことを、伝えにきたのでは?


 いろんな憶測を各自、思い浮かべる。


「それは、我々○ΠPAYと人間との共存です」


 記者の中には、安堵の表情を浮かべるもの、拍子抜けしているもの、不機嫌そうなものと、様々だ。


「すでに、何人かのωが、地上に出て、皆さんと共存しております。我々βもお役に立てればと……無事、共存出来るようであれば、皆様にも海底に来ていただいて共存を」


 全員、無理無理と手を横に振った。


 司会の男性がマイクの前に立つ。


「それでは、皆様。ご質問の方をどうぞ」


 記者達は手を上げた。


「はい、では、一番前の、虎の着ぐるみをかぶったあなた」


 指名された記者が立ち上がる。


「○○高等学校、新聞部、校内掲示新聞の海原翔太と申します。えっと、現在、女性の人魚さんが、私達の世界にいるとおっしゃいましたが、なにか仕事をされてると……で、お金というものはお使いになるんでしょうか?」



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