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けだもの系王子

第7章 聖矢、腹黒系?






「ありがと、助かったよ」





「最初は何のアピールかと思って、あの二人の行動もおかしかったし、それ見て、住所付近に行けば乱闘してるし……」




「……」




「面白いね、麗奈さん。
君の事気に入っちゃった」




「あっ、そう?
それはありがとう……」




「僕は工藤 聖矢。
麗奈さんがいるのなら、大学に行くのが楽しみになって来たよ」




あたしの住むマンションの前で車が止まった。




前を向いて運転していた聖矢が助手席にいるあたしの顔をじっと見つめる。




「だけどね麗奈さん。
自分は強いと思ってるかもしれないけど、男を侮ったら痛い思いをするよ?」




大きめな綺麗な瞳が輝く。




あたしの髪をクイッと引っ張られる。




唐突にキスをされる。




触れるだけの軽いキス。





「今日のお礼に貰っちゃった」




ペロッと色っぽい仕草で唇を舐めてる。




あたしは思わずその頬を拳で殴る。





「痛いよ、麗奈さんっ、しかもグーとかっ」





痛みのせいで綺麗な瞳が涙で潤んで抗議の声をあげてるけど。




構わずに怒鳴りつけてやる。





「何すんのよ、クソガキっ!
あたしはね、あんたみたいなタイプ大嫌いなのよっ!
イケメンだからって、こういう事して女の子がみんな喜ぶと思ったら大間違いなんだからねっ!」





唇をごしごし擦りながら睨みつけてやる。





聖矢は驚いたように大きめな瞳を見開いてあたしを見つめニヤリと笑った。





瞳が鋭く光りあたしをじっと見つめる。





「へえ?
そういう事言われるとまたキスしてあげようかなと思っちゃうんだけどね?」




「はあ!?
意味が分からないし、馬鹿じゃないの!?」





「うるさいその口を塞いでやろうか?」





急に声のトーンが低くなり、聖矢の体が急にあたしの座ってる助手席に覆い被さる。





「なにすっ……!」




「黙りなよ?」





聖矢の両手ががしりとあたしの両頬を押さえつけて、またしてもキスをされてしまう。

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