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けだもの系王子

第7章 聖矢、腹黒系?







1度ならず2度までも。





抗議の声をあげてあたしの唇が聖矢の唇によって塞がれ、そこから彼の舌がにゅるんと口の中に侵入する。




「ん〜!」




体が聖矢の体に押さえつけられ、その大きさと重みにゾクリとする。




両足をバタバタするけど、ダメだ、ビクともしない。





その間にも聖矢の舌があたしの口の中を自由に蠢いて絡みつく。





自分の舌で押し退けたり絡まれる舌から逃げるのに激しく絡められる。





その口の中で繰り広げる攻防が変な刺激になり、お互い荒い息をつき熱くなっていく。





ムキになって激しくキスをしている感じ?





つつっと唾液が零れる。





長いキス。





……苦しいっ。





バタバタしてた足がいつの間にかだらんとなっていた。





唇を離して至近距離で見つめられる。





「感じちゃった?
ざまあ見ろ」




耳元で甘く囁かれ、弾かれたようにカァとなって突き飛ばす。




ロックを開けて慌てて荷物を持って車から逃げるように降りた。





「あたしにこんなマネをして、覚えてなさいよっ、バカっ……!」




「もちろん忘れないし、忘れられそうもないしね?
狙った獲物は逃がさないし、僕って結構しつこいから覚悟しててね?」




「はあ!?
意味分かんないしっ、もうあたしに関わらないでよっ!」




車のドアを乱暴に締めて背中を向けて逃げるように駆け出す。




聖矢のニヤニヤした視線があたしを追いかけるけど無視してマンションの入口に向かった。





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