けだもの系王子
第7章 聖矢、腹黒系?
「手なんかにキスしちゃってさ?
ぼうっとして、変なの〜」
からかうように、あたしの手を掴む。
それから何故か、驚いたように目を大きく見開いてまじまじと見つめてる。
「痛いっ。
離しなさいよっ」
両手首をがっちり強い力で掴まれている。
「……麗奈さん手が小さいっ、何これ、子供の手みたいに軟らかくてふにゃふにゃしてるし、白くて綺麗……」
じいっとあたしの手を見つめてたのに、いきなりパクンと食べるように指を口に含んだ。
「ひゃあっ、なっ……ちょっと……!」
聖矢の舌が官能的にあたしの指を這い指の隙間にも舌が這わされ何故だか変な声がでた。
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ
時折歯を立てて変な刺激になり、調子に乗ってるのか荒い息を吐きながらあたしの腕にも舌が這わされていく。
「……やあっ、もう、やめっ……」
ゾクリとした快感に下半身がもじもじする。
「麗奈さんの手……食べてしまいたい……この手はヤバイね……ねぇ、いいでしょ?
僕のモノになっちゃいなよ、ていうかもうダメ、麗奈さんが欲しい、逃がさない……」
耳元で甘く囁かれてゾクリとした。
聖矢の瞳が鋭く光り、傍に停めてあった聖矢の車に連れて行かれて強引に乗せられてしまう。
悲鳴をあげながら強い力で掴まれて。
拉致られて。
「ちょっと、聖矢っ!
どこに行くのよっ!
冗談じゃないわよっ、あたしはそんなつもりはないからねっ、家に帰るんだからっ」
「悪いけど却下。
もう我慢できないから、大人しく出来ないならここで抱いちゃうけど?」
「嫌よっ、そんなのっ、何を勝手に決めてるのよっ」
車の中でギャーギャー言いながら、聖矢の車はどこかに向かっている。
「だって僕のもう限界だから……」
「じゃあ、しょうがないからあたしが口でしてあげるから」
「ダメっ。
麗奈さんを抱きたいんだから。
そんなに嫌なの?
自分だって感じてた癖に?」