けだもの系王子
第8章 涼、蓮、意地悪系?
あたしの家から歩いて10分くらいのアパート。
おしゃれな造り。
同じ大学の人が多く住んでいるらしい。
涼先輩の家は1階の1番奥。
覚えやすくてほっとする。
ドキドキしながら涼先輩の家に案内されながら、はいっていく。
涼先輩の香り。
石鹸の匂いと男の人の匂い。
涼先輩の部屋に案内されて、ベッドの上に座らされる。
シンプルな部屋。
モノトーンを基調にした感じ。
涼先輩の雰囲気にピッタリだ。
「適当に寛いで?
そんなに緊張しないで?」
緊張のあまりあんまり話さないあたしを見て、涼先輩が優しく笑う。
「ああ、飲み物がないな……
すぐ近くにコンビニがあるからちょっと買いに行って来てもいいかな?」
「あっ、うん……」
急に不安になる。
「由宇ちゃんはシャワーでも浴びて待っててもいいからね?」
シャワー室へ案内されて。
バスタオルを用意してくれる。
「バイトから帰ったら俺もいつもシャワー浴びるからね」
ほっとしながらシャワー室に入っていく。
「じゃあ借りるね?」
「すぐ帰るからいい子にして待ってて」
あたしの頭を撫でながら、
ちゅっと耳元に軽くキスをして部屋を出ていった。
シャワーを浴びて、汗を流して。
ボディーソープが涼先輩の香りだと感激しながら使った。
念入りに体を洗い流す。
鏡に写っている自分の姿を見つめる。
うん、大丈夫。
こういう時がいつ来てもいいように。
ダイエットしてて良かった。
体を拭いて悩んだけどバスタオルに身を包む。
このまま、また、ブラとパンツを着けるのもちょっと……。
だってあたしのパンツ……。
濡れてたから……。
バスタオル1枚の姿のまま、涼先輩の部屋のベッドに座る。
これでいいの。
だってそのつもりで来たんだから……。