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けだもの系王子

第8章 涼、蓮、意地悪系?








今日はバイトに出るから……。





その言葉を胸に、上機嫌で午後の講義を受けて、急ぎ足でバイトに出勤する。










おしゃれな洋館みたいな造りで、ケーキが美味しくて有名で雑誌にも載っていた。





ケーキだけじゃなくてお料理も美味しい。





いつも大忙しだ。





制服もメイド服のコスプレみたいで可愛い。





従業員もこのへんの学生が多い。





制服が可愛いから思うのか可愛いウェイトレス、イケメンのウェイターが多い。




出勤した時から忙しくて戸惑いながらバタバタする。




すれ違うウェイトレスの子も早足で歩く。





今日はこの店名物のお嬢様がいた。





超美形でスタイルも良くてスレンダーなのに。





大食いでワインも沢山飲む。





しかも持ち帰りも沢山する。





ウェイターの聖矢さんの彼女。





聖矢さんが彼女の席にべったりになってしまう。





貴重な戦力が削がれる訳で、バタバタするのもしょうがないよね。




美男美女のカップルを横目に見ながら働く。





涼先輩は遅れて来るみたいだけど。





早く来て欲しいな。





「すいません」





お客さんに呼ばれて振り返る。





一人の男性客。





席に近付き、ギクリとする。





「やっぱり由宇、ここでバイトしてるって友達に聞いてさ、本当だったんだ?」





相変わらずのイケメン。





髪が赤っぽくて少し長め。





「健也……。
久し振り、ご注文は?」





前の彼氏の健也。





あたしを電話一本で振って約束すっぽかして、本当にそれきりだったのに。




あたしはなるべく無表情をつくる。





「約1年振り?
綺麗になったな由宇、今彼氏とかいんの?」





「勿論いるよ、素敵な人が」





「本当かよ?
お前の体、満足させてもらってんの?」




「勿論そうだよ。
あのっ、ご注文は?
忙しいんで早くして下さいっ……!」




早くこの場所から離れたい。




艶っぽい視線があたしの体をじろじろやらしい目で見ている。




「待てよ。
じゃあ、ケーキでもなんでも注文するからさ、由宇、俺はお前ともう一度やり直したい、

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