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けだもの系王子

第8章 涼、蓮、意地悪系?







夜中に目を覚ましてしまった。




涼のアパートにそのまま泊まっていた。




20歳過ぎから両親は厳しく言う事はなくなったけど。




もともと真面目な優等生なあたし。




将来は学校の先生を目指しているのも知ってるし。




お母さんにラインで一言いれたらそれで済む。




日頃の行いで信用されてるし。




夜の11時57分。




スマホの画面を見つめて驚いた。




バイトに夕方行って働かずに真っ直ぐ涼のアパートに来たわけだし。




ご飯も食べてないし、シャワーも浴びたい。




隣で寝ている涼の寝顔に胸が熱くなる。




キッチンでミネラルウォーターを飲んで。




シャワーを使わせて貰う。




また、キッチンに行ってミネラルウォーターを飲む。




あんなに声を出したから。




喉が渇いてしょうがない。





「……お前の声、でかすぎっ、俺はずっといたのにひでぇよな、涼のやつ!」




背中にイラついた声がして。




ギクリとして振り返る。




不機嫌そうな蓮がそこにいた。




睨むような鋭い目があたしを責めるように見つめる。




「ごめん、気づかなくて……」




「……やっと涼とやったんだ?
まぁ、俺のが先だったけどな。
……で?
どっちのが良かった?
って言っても由宇は淫乱だから、誰でも感じるんだろ?」




意地悪な鋭い視線を睨みつける。




「蓮はどうしてあたしの名前を知ってるの?
ひょっとして健也から、何か聞いてるの?」




店に健也が来たとき。




言っていた。




涼を見て。




蓮、と呼んでいた。




同じ大学だし。




二人はひょっとして知り合いかもしれない。




「まあな。
あいつ、俺の友達。
お前の話は嫌と言うほど聞かされて来たから、お前のエロ画像も見た事あったし、すぐに分かったよ、ここでお前を見た瞬間から、涼と付き合った事も全部知っていた」




あたしは悔しい思いで唇を噛んだ。




「あいつの家でパソコンの画像を見せられて、俺が全部消して説教してあげたんだよ。
いい男が情けねぇ事すんなって、あんな画像見てジメジメしてんのなら、今すぐ会いに行けばいいだろうって、お前、あいつに会った?」





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