けだもの系王子
第8章 涼、蓮、意地悪系?
「もっと由宇と一緒に過ごしたいと思ってるから、由宇、ここで俺と一緒に暮らさないか?」
「えっ?
だって……」
戸惑いながら蓮を見る。
驚いたように目を見開いて涼を見ている。
「おい、お前俺の話聞いてんのかよ?」
「由宇は俺の彼女だ。
お前は次のアパートを探してんだろ?
問題ないだろう?」
涼が手を伸ばしてあたしの手を取る。
「両親に話しなくちゃいけないだろうから、必要なら俺も一緒に行くけど、俺はすぐにでも由宇と一緒に暮らしたい。
もう家に帰したくないとまで思ってるんだ」
「やれやれだぜ。
お前本当にこんな奴がいいの?」
呆れたような蓮の顔。
ドキドキしながら涼の手を取った。
「家と相談するけど、あたしも涼と一緒に暮らしたい」
言いながら、たぶん両親は反対しないだろうなと思った。