けだもの系王子
第8章 涼、蓮、意地悪系?
「ただいま」
玄関の方から声がした。
今日はいつもより早い帰り。
「おかえりなさい〜」
キッチンで肉じゃが作りに挑戦していたあたしはいっぱいいっぱい。
じゃがいもの皮を剥いていた。
「……なにしてんの?」
キッチンに立つあたしの背後に来て、お鍋の中を覗いている。
「肉じゃが作ってるの」
「手が黒いんだけど、じゃがいもも黒い」
涼に指摘されてしまい、ギクリと冷や汗。
「これはじゃがいもの土がついてね?
ちゃんと洗ったんだよ?
皮を剥いてまた洗うし」
「ちょっと貸せよ」
持っていた包丁を取り上げられて、スルスル器用にじゃがいもを剥いてくれる。
隣に並んだ涼の横顔につい見とれる。
端整な顔立ち。
切れ長の瞳。
その瞳が。
ふっと鋭く光る。
……んっ?
少し、違和感を感じる。
「何見惚れてんの?
やっぱり、この顔が好きなんだな?」
ニヤリ。
意地悪な笑顔。
ま、さか……。
「分かんねぇんだ?
その程度の気持ちなんじゃねぇの?」
「……ま、さか、蓮?」
「見分けつかねぇくせに」
意地悪な笑顔。
隣に並んだ蓮の片腕が、あたしの肩を引き寄せた。
グイっ。
強い力。
そのままの体勢で唇が重ねられる。
「んんっ!」
ゴトンッ。
まな板の上に包丁が置かれる。
じゃがいもは既に鍋の中に入っている。
その手際のよさに驚いているあたしの胸が揉まれる。
「ちょっと、やめてよっ、涼が帰って来るからっ」
抗うあたしの両腕が捕まれて。
唇の隙間から荒々しく舌が絡められる。
「んんっ!あっ……!」
キスしながら、服の隙間から蓮の手が潜り込まれて、あたしの胸の先端をくりくり指で弄られる。
痺れるような刺激を受けて声が洩れる。
蓮の指があたしの乳首をくりくり捏ねたり、擦ったり、摘まんだりして執拗に刺激を与えられる。
「んんっ!あっ、あっ、あっ……!」