けだもの系王子
第8章 涼、蓮、意地悪系?
耐えきれずに大きな窓に手を着いてしまう。
眼下に広がる景色。
街の喧騒が小さく広がっている。
「……由宇、やっぱりお前がいいな……誰を抱いても……お前じゃないと満たされない……今まで全てを諦めてた俺なのに……お前にはこだわってしまう……今更、何なんだろうな……!」
ズンッ、ズンッ、ズンッ
激しく腰を揺らしながら、自分でも求めている事に気付く。
気持ちいいだけ、蓮とはきっと体の相性がいいだけで……。
こんなにも求め合っているのは久し振りに合ったからで。
こんなにも気持ちいいのは……。
あたしが好きな人は……。
「はじめて、映画館で会った時から、本当はずっと好きだった……お前の泣き顔を見て……守りたいって思っていたのに……俺は奪う事しか出来ない……」
「……!……あっ…んんっ……!!」
ズンッ!ズンッ!ズンッ!
激しく腰を揺らしながら、快感に全身支配されて何も考えられない。
ただ快感に身を任せて貪るように激しく求め合って。
お互いの体温が熱い。
求め合い惹かれ合う。
体で感じる。
求めている。
こんなにも蓮の体温を……。