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けだもの系王子

第9章 椿、真面目ぼっちゃん系?





「ちいちゃん、……ちいちゃん……?」



誰かがあたしを呼んでいる声がする。




……誰?




真人兄ちゃん……?




肩を揺さぶられてギクリとして体が震えた。




「い……や……っ……!」




ハッとして。




体を起こす。




ベッドの上で体を起こして、あたしを見下ろしている椿さんと視線が合う。



「あれっ?あたし寝惚けてて、おはようっ、椿さんっ」



慌てた自分が可笑しくて笑う。




そうだ。



ここは椿さんのマンション。



椿さんは今日も朝からピシリとした白いシャツを着こなしている。



「ごめん、なかなかちいちゃんが起きて来なかったから、びっくりさせちゃったかな?」



椿さんがふいとあたしから目を反らして、自分の頭の上に手を置いている。



らしくない落ち着かない仕草に首を傾げてしまう。



「ううん、ちょっと寝惚けてただけだから、起こしてくれてありがとう、バイト遅れるとこだった」


「朝食用意出来てるから、着替えておいで?」



そのまま背中を向ける椿さんについて行く。



「わぁい、お腹すいた」



「って、ちいちゃん?俺は着替えておいでって言った筈だけど?」



振り返る椿さん、また、ふいと前を向く。



「時間が微妙だから後で着替える〜」



フウ、溜め息をつく椿さん。



頭を押さえている。



「あのね、ちいちゃん、真人の気持ちが分かってきたよ……君はちょっと、無防備過ぎる」



「えっ?」



首を傾げるあたしの体がやんわりとドアの壁に押し付けられた。



「男の前でそんな格好でふらふらすると……どうなるのか、君は身を持って知ってる筈だよ」



椿さんの瞳が鋭く輝いて、じっとあたしの瞳を見据える。



ツツッ。



椿さんの指があたしのTシャツワンピをなぞり、胸へと伝う。



「……んあっ?」



胸の先端の突起をTシャツ越しに刺激されて、ノーブラだった事に気付いた。



「あっ、あっ、あんっ……」



椿さんの指が擦るようにあたしの乳首を刺激して、優しくてやらしい手付きに敏感に反応してしまう。

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