けだもの系王子
第10章 涼、束縛系?
「お願い……もうっ、いって?」
しゃがみこむあたしの体の上に乗って、涼がコンドームの封を噛みきる。
もう、何個目なのか分からない。
「まだ……足りないよ……唯夏……もっと俺を……求めて?」
あたしの体を抱きしめて、ベッドの上に運ばれる。
何度も絶頂を迎えて、ぐったりしているあたしの体。
何故だか両手にタオルを巻き付けて、拘束される。
「可愛い……唯夏、俺の……モノだ……」
また、繋がり合う。
とろけそうな快感。
あたしのあそこの形が、涼の形に変えられるような感覚。
体の隅々を愛されて、愛撫されて、溺れさせられる。
涼しか……見えない。
理性のなくなる音が聞こえたような気がした。
涼が何かの薬を口に含んで、あたしにキスをした。
口の中に広がる苦味と同時に錠剤を飲み込んでしまう。
それから。
狂ったような、長い夜が始まる。
何度も貫かれて、潤いが無くなってきた、あたしのあそこが、涼に飲まされた錠剤のせいか、また、潤い蜜が溢れて止まらなくなる。
熱く、火照る体。
ますます敏感になる感度。
狂ったように激しく腰を動かす。
貪るように絡め合い、もっともっとと、涼の肉棒をねだる。
ベッドの上で獣のように絡み合い、薬のせいか、我を忘れていた。
それからの記憶はひどく曖昧で……。
狂ったように涼の上に跨がって腰を振るあたし。
恍惚とした、涼の綺麗な顔が断片的な記憶に残った。
ぐしゃぐしゃに乱れたシーツ。
ベッドの下には沢山のティッシュと使用済みのコンドーム。
壁に飛び散る何かの液体はあたしの愛液なのか、涼の精液なのか。
何の判断も出来なくなるくらいに、狂わされ、乱された。
ただ気持ち良くって。
ただシンプルに欲望のままに、涼を求めて、長い夜を過ごした。