テキストサイズ

けだもの系王子

第10章 涼、束縛系?





『今度はあたしが晩御飯を作って待ってるよ』



そう言ったから、晩御飯のおかずを買って、家から必要な着替えを数着用意して、涼のマンションに向かう。



結構大荷物になっているけど、しょうがない。



店長がいつものように送るって言ってくれたけど、なんとか断った。



最後まで反対していた。



『あいつの執着心は普通じゃない、こんな事は言いたくないけど、あいつの束縛がきついと由宇ちゃんに、相談された事もあったんだ……。
結婚直前で逃げられて、その事もあったから、余計に唯夏に執着しているような気がする……。
だから……、あいつはやめておけ、行くなよ唯夏……!』



自分でも分かっている。




涼は危険だと。




それなのに。




やめろと言われれば会いたくなる。




あいつは危険だと言われれば、余計に会いたくなる。




火がついたように、早く会いたい気持ちが逸る。




だから、自分から、あのマンションに向かう。




大好きな涼と、これからずっと一緒に暮らすんだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ