けだもの系王子
第10章 涼、束縛系?
「ただいま……唯夏……!」
台所で夕食を作る、あたしの姿を見ると、涼がすぐに駆けて来た。
「唯夏、来てくれたんだね、嬉しいよ」
後ろから抱きしめられて、首筋にキスを繰り返す。
嬉しそうな表情、ちゅっ、ちゅっ、繰り返すキス。
可愛い……尻尾を振ってる子犬みたい……。
「涼、くすぐったいよ、煮物できたから、食べようね?」
くすぐったくて、片目を閉じて首をすぼめてしまう。
「美味しそう……だけど、今の俺は唯夏のほうが、美味しそうだ、先に唯夏を食べたい……
その顔、可愛い過ぎて、ぎゅっとしたら、もう、我慢できない」
「だって、晩御飯、せっかく作ったのに」
「ちゃんと後で食べるよ」
ぎゅっと抱きしめられて、あっと言う間に抱き抱えられる。
「もうっ、涼っ」
相変わらずの強引さに抗議の声をあげると、急に不安そうな表情であたしの顔を見つめる。
「嫌?唯夏?嫌ならやめるけど、たぶん……」
そんなに我慢できない訳ね?
抱き抱えて歩く涼の下半身に、そっと手を伸ばして、ギクリとする。
ズボン越しでも分かるほどに、熱く猛っている、堅い涼の肉棒。
あたしのあそこもきゅんと熱くなった。
至近距離で熱っぽい目と視線が絡む。
「今日一日唯夏の事を考えて、おかしくなりそうだった。
俺はおかしいんだ、唯夏とエッチしたくて堪らない。だけど、君に嫌われたくないから、ちゃんと優しくするよ」
ああ……、この目……好きだな……。
見つめ合い、熱いキスを繰り返して、絡み合いながら、ベッドに沈み込む二人。
あのキングサイズのベッドだ。
今夜も狂おしい、夜を迎えるの?
ああ、だけどあたしも、とっくに狂っている。
美しい悪魔のような彼に見魅られて、愛して、強引にいたぶられるままに、堕ちていく。