けだもの系王子
第11章 零斗、チャラ男系?
「気持ちい……!……んあっ!……あっ!〜〜〜〜!」
びくんっ、びくんっ、
快感の波があたしを浚い、体に力が入って、仰け反ってしまう。
「ああ……っ……俺も、もうっ……!」
お互いの性器が痙攣して絶頂を迎える。
はじめての快感に、体から力が抜けて、本棚に凭れながらしゃがみ込んでしまった。
荒い呼吸を繰り返して、零斗さんを見上げる。
「気持ち良かった?もっともっと気持ちいい事してあげるから……家でいい子にして待ってろよ?」
ゾクリとするような、艶やかな甘い笑顔。
魅入られたように、見つめて、ただ頷く事しか出来なかった。
あたしはセフレだから。
セフレ、セックスフレンドの略、セクフレ、SF、
『1990年頃からの若者言葉』
ケータイで意味を調べて、理解した。
真面目眼鏡だったあたしには、縁のない言葉だ。
要するに、友達だという事だ。
都会の人に騙された訳じゃない。
あたしが選んで決めた事だ。
零斗さんがそうしたいのなら、それでいい……。
……?
あたしは他に何を望んでいると言うのだろう。
ただ、流されて、受け入れただけ。
それだけの事なのに。
体が離れた瞬間から、寂しくなる。
温もりを求めて、きっとまた、受け入れてしまうんだろう。
それでもいいと思うのは、どうしてだろう。