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けだもの系王子

第11章 零斗、チャラ男系?






零斗side





夏休みのハードな勤務を、労う為のバーベキュー。




大学に入ってからここのバイトで、毎年やっている。




オーナーや樹店長、何人かはバイト同士で、先に現地に向かっている。




残っているのはオーナーの嫁さんである、料理長、幸人、カナと葉月だ。




車をだしてもらうのは料理長の、8人乗りの大きな車だ。





腹減ったな。





これから出発、バーベキューにありつけるのは、まだまだ先だろうけど、営業があるから仕方がない。




そのかわり絶品だからな。





「女の子は準備に時間かかるからしょうがないな、行ったらまた、いきなり泳ぐか?」




毎年の事なのに、幸人が聞いて来た。





「海を見れば、泳ぎたくなるだろ?」






「……水着、楽しみだな?」





「やらしいな、幸人。葉月の水着姿だけ、楽しみなんだろ?」




分かりやすい友人である、幸人をからかう。





案の定真っ赤になって慌てている。





「なに言ってんだよ、お前こそっ」





俺は見慣れてるから。





葉月の水着どころか、裸まで、恥ずかしいところも、全部。




言ってしまいたい衝動にかられるけど、黙り込む。




セフレだから、黙ってなきゃいけない。





それが暗黙のルールなんだろ。





葉月に何人のセフレがいるのか知らないが、そのうちの一人にすぎない。





最初から分かっていた、関係。





それでも、毎日求めてしまう。





最初は遊びのつもりだった。





同じようにセフレとして、楽しめればそれで良かった。




他のセフレが寄り付く隙がないくらいに、毎日体を重ねて、好き勝手に汚してる。





彼女がどんな人間でも構わなかった。





ただ求めてしまう。





誰にも渡したくない。





この気持ちはなんなんだろうな。

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