けだもの系王子
第1章 祐也 、 草食系?
「じゃあ、夜のほうも大丈夫だね?」
「あっ、セクハラですか?」
「辞めるから、いいでしょ?」
お互いお酒をグイグイ飲みながら、会話は弾んでいく。
「そうですねぇ、彼、草食系ぽいんですよね?」
「草食系?という事はつまり……」
「あんまり、そういうこと、してくれないんです」
「はあ?君みたいな魅力的な子が彼女なのに?」
「あたしって、色気がないんでしょうか?」
悲しくなって俯いてしまう。
「何言ってんだ?君は色気もあるし、スタイルもいいし……」
「じゃあ、どうしてゆうちゃんは何にもしてくれないの?」
どん、グラスを置いて、思ったより大きな音がした。
「場所変えようか?ゆっくり話を聞くよ?」
あたし達は飲み会の場所であった居酒屋を出た。
足元が少しふらついている。
飲み過ぎたのかな?
外の空気が気持ちいい。
「もっと早くそういう話を聞きたかったね?」
高瀬さんが隣に寄り添い、あたしを支えるようにして歩く。
「何がですか?」
「君の彼氏の話だよ。あと2週間で俺はもう行くのに、今頃になって、期待してしまう」
キョトンとする。
なんだか、ぼぅっとした気分で高瀬さんの顔を見つめる。
「俺だったら君をほっとかないし、満足させてあげるのにね?」
「えっ?」
ギクリとして足を止める。
いつの間にか、人通りが少ない。
ラブホテル街だった。
まずい。
思った瞬間、両手を掴まれ、いきなりキスをされる。
「んんっ……!」
激しく舌を絡められる。
高瀬さんの手があたしの体を撫で回す。
タイトスカートの裾から侵入した手が、あたしの下着をずらし、あそこの割れ目をなぞられる。
「ああんっ!……んんっ!」
久し振りの快感に、甘い声をあげてしまう。
「すごい、濡れてる……」
「……やっ!……だめっ!」
喘ぎ声をあげながら、抵抗する。