けだもの系王子
第4章 慶紀、友達系?
もうどうとでもなれっ。
やけくそ気味に目を閉じる。
「あほかお前はっ?
はじめてならそんな投げやりに言うなよっ!」
何故だか怒鳴られてしまう。
「はじめてって、なんでっ?」
「そんなのキスしたら分かるだろ?」
赤い顔してあたしから顔を反らしているけいちゃん。
「お前が好きだから、はじめてなら大事にしたいんだよ。
って言うかお前、俺の事好きだろ?
キスした時に思ったんだよ」
「ばかじゃないの?
そんな訳ないじゃないっ」
「……じゃあ、嫌なら拒めよ?」
けいちゃんの瞳がふっと細められ、ぎらりと輝き、綺麗な顔立ちが斜めに傾く。
ドアに手をついて、あたしの体はけいちゃんの体に囲われたまま。
ゆっくり顔が近付き、その瞳は真っ直ぐあたしを見つめている。
「5、4、3、2、1……逃げないならキスする」
ゆっくりスローモーションみたいに唇が重なる。
暖かい体温を唇に感じて、動けない。
「ブー、もうダメ。
なぁ、真香?
俺の事好きなんだろ?」
なぁ、なぁ、なぁ?
言いながらもちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、
唇が重ねられる。
あたしは固まったまま動けない。
その間重ねられる唇が熱を帯びていく。
最初は軽くキスしてたのに、ぐっとけいちゃんの舌が絡められる。
熱い舌先にびくんと体が震える。
そんなあたしの肩を安心するように優しく抱きしめられる。
優しいキスに、何故だか涙が出た。
「なぁ、俺の事好きだって言えよ?
じゃないとこのままキスすんのやめない、止まんなくなるけどどうする?」
「そんなっ、待ってよっ……!」
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、
「んんっ……!」