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けだもの系王子

第4章 慶紀、友達系?








「ちょっと、なんでこういう事になってんのよっ?」






あたしはけいちゃんのベッドの上で抗議の声をあげた。





けいちゃんの家は近所にある。





母子家庭でお母さんが最近入院していて、お姉さんは美容院で働いている。





誰もいない。





けいちゃんに拉致されて、そのままけいちゃんのベッドの上で解放された。




そのままにじり寄ってくるけいちゃん。





「はじめては大事にしたいんだよって言ってたじゃないっ?」





「もちろん、大事にするし、優しくする」






「いやいやそうじゃなくてっ!」





「だってお前俺の事好きなんだろ?
……なぁ?」





けいちゃんの顔が近付く。





その瞳がぎらついて見えた。





ちゅっ、ちゅっ、軽くキスを繰り返す。





「俺だってお前を大事にしたいんだよ?
だけど……、悪い、我慢できない……止められそうもない。
好きなんだ……」





ちゅっ、ちゅっ、繰り返されるキスの嵐。





それは軽く唇に触れていたのに、だんだん熱を帯びて首筋から下へ下へと舌を這わされていく。





「んんっ、あっ、あっ、……あっ!」





くすぐったいような感覚が、時折痺れるようになって体が震え声をあげる。





「お前の体……甘い……なんで?」





ちゅっ、ちゅっ、止まらないキスの嵐はあたしの胸を味わうように舐めている。




いつの間にか服を脱がされ、痺れるような快感に思考回路がおかしくなっている。





体の力を抜いてけいちゃんにされるがままになっている。





けいちゃんの優しい舌先が体を伝うのに歓びを感じている。





嬉しい、気持ちいい。





やっぱりあたし、けいちゃんの事が好きなんだ……。





「ごめん、やめてあげられない、真香……」





苦しそうなけいちゃんの顔。





何かと戦っているような、時折綺麗な瞳の奥にぎらりとした野生的な輝きが見える。





その顔を見たら胸が締め付けられる。





愛しさが込み上げる。





あたしは両手を伸ばしてけいちゃんの顔を引き寄せた。





「止めないでいいよ、大好き、けいちゃん」






ぎゅっと胸に抱きしめる。

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