けだもの系王子
第6章 要、優等生系?
顔が見えないから冷たくなれる。
『どうして?』
「あたし、好きな人がいるって、ずっと言っていたよね?」
その瞬間、要の動きが再開する。
「んんっ……」
思わず洩れる声を手で押さえる。
『知ってるよ、誰が好きかも、分かっていた』
「だったら分かるよね?
もう聖ちゃんとは会いたくないから……んんっ」
ぐっと深く貫かれる。
『ちゃんと話がしたいから、明日早希ちゃんの家に行くからね?』
「……やぁっ、来ないで?」
慌てて通話を切る。
「要っ、何するの?んんっ!」
また激しく腰を振る。
激しく突かれて喘ぎ声が止まらない。
「お前は俺だけを見てればいい……」
ぼそりと呟やかれる。
艶やかな瞳があたしを見据える。
見ているよ。
ずっと大好きなのに。
「あぁっ、大好きっ……!」
どうして、返事をしてくれないの?
幸せな気分で抱かれて。
お互い夢中で腰を振って。
何度もいったのに。
どうしてまだ、寂しくなるの?
どうして何も言ってくれないの?
………………………。
その日からあたし達の関係は続いた。
どんな関係でもいい。
あたしが好きな人は要なんだから……。
その日は何度も絶頂を迎えて、いつの間にか眠りについた。
朝起きたら、要はいなかった。
乱れたシーツ。
脱ぎ散らかしている服を片付けて、シャワーを浴びる。
凄く気持ち良かった。
信じられないほどの快感を経験してしまった。
やっぱり好きな人だから?
シャワーを浴びながらも、あそこに触れてみる。
壊れてないよね?
溶けそうだと思った。
家のインターホンが鳴る。
そういえば。
聖ちゃんが話をしに家に来るって言っていたんだった……。