けだもの系王子
第6章 要、優等生系?
要に好かれてない……。
その事に気付いて。
泣きながらベッドにはいっていた。
涙腺が崩壊したのか涙が止まらない……。
そのまま、いつの間にか眠りについた。
……………………暖かい。
チュッ、チュッ、チュッ、
背中がくすぐったい……。
パチリ、目を開ける。
薄暗い視界が慣れてきた。
ベッドの中で後ろから要に抱きしめられている。
背中に優しいキスの嵐。
あたし、寝ているのに服をめくられ、胸を揉まれている。
……また、エッチ?
やっぱり体目当てなの?
そう思ったら情なくて腹が立って来た。
「……要?
もうやだこんなの……。
要はあたしの事セフレだとしか思ってないの?」
要の動きが止まる。
後ろからぎゅっとまた抱きしめられるけど、腕を振って抵抗する。
「あたしは要が好きだから嬉しいのに……っ
いっつも答えてくれないじゃない……っ
そんなの嫌なのっ……!」
ジタバタ暴れるあたしの体をぎゅっと抱きしめたまま。
抵抗できない。
……要も力で押さえ込もうとするの?
「……好きだ……
同じ相手に何度も告白できるか?
また振られるのが恐くて、早希の好きな奴が別に居るんだとばかり思って、臆病になっていた……」
あたしの耳元で掠れたような良く通る低い声。
嬉しくて信じられない気持ちで振り返る。
赤くなった要の顔。
本当なの?
「あたし、何度も好きって言ったよ?」
「ベッドの中で女の子はみんなああ言うんじゃないのか?」
「はぁっ?
何よそれっ?」
「早希のずっと好きな奴って……」
「要の事だよ。
斉藤先輩にずっと憧れていた。
告白された時は嬉しかった。
だけど、聖ちゃんが……」
「あの時工藤とすれ違う瞬間、渡さないって言われたんだ。
嫌な予感がして屋上に言ったら鍵が閉まっていた……」