私の心の1番綺麗なところに
第29章 曇り心
自分でも、驚いた。
今の言葉、誰が、言った…?
自分なのに、自分じゃないような。
川上さんも驚いていた。
そりゃそうだろう。
今まで、彼が怒っても
反論することなく、
謝っていただけの私が
まさか、こんな冷たい言葉を発するなんて。
でも、一度出てしまった言葉は
取り消せない。
むしろ、どんどん新しい言葉が溢れてくる。
今までの我慢をぶつけるように。
「そもそも信用したことないし。
そんな自分勝手な人。
いいですよね、自分の機嫌で
私に当たることができて。
幸せなことで。」
多少の申し訳なさはあるが
それよりも、吐き出したい気持ち。
彼を見ないようにそっぽを向いて
話していたが
ふと、彼を見ると
泣いていた。
目に涙を溜めて。
顔を赤くして。
私も、こんな彼は初めてだった。