私の心の1番綺麗なところに
第5章 愛おしい時間
スマートフォンのコーナーを出たあとは
エスカレーターで降りていった。
エスカレーターをひとつ下ると
彼と腕を組み、
エスカレーターに乗ると
一列になるため
腕を組むのをやめて、
彼のうしろに立つ。
数回そんな調子でいると、
隆太が
「なんでいちいち手を離すの?
持ってていいよ。」
と、言ってきた。
「エスカレーターのときは、
先輩、動きにくいかなって…」
「そんなことどうでもいいよ。
くっついてたいし。」
嬉しかった。
手を繋ぐほうが私には恥ずかしくて。
だから勝手に腕を組むようにしてて。
内心、迷惑がられてるんじゃないかなって
少し不安だったから。
腕を組むこと、初めてだったけど、
嬉しかった。
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