
私の心の1番綺麗なところに
第5章 愛おしい時間
隆太。
スマートフォンを一緒に見た場所はね、
数年後来たとき、すぐにわかったんだ。
お店の名前も有名だし、
駅からすぐだからね。
でもね、行けないの。
隆太と初めて行ったあの日以来、
場所がわかってても、
目の前を通っても、
入れないの。
だって、入ったら
あなたを思い出してしまうから。
あなたが隣にいた、
あの幸せな時間を
思い出してしまうから。
本屋さんだって、
見つかれば良いと思う反面ね、
見つけても、入れないと思うんだ。
ひとりで入るのは哀しいよ。
隆太以外の人と入っても意味ないよ。
まだ、思い出だからと言って、
割り切ることができない…
