
私の心の1番綺麗なところに
第30章 晴れやかなこころ
翌日。
22時には部屋へ帰宅した。
いつ連絡がきてもいいように、
翔の荷物は整理していた。
大きなビニール袋2つ分。
入れ終わっても
寂しさとか、空虚とか、
一切感じなかった。
「部屋が広くなった!」
邪魔なものがなくなって
部屋がスッキリした。
22:20。
翔からメールがきた。
「着いた。」
「すぐ行くね。」
荷物重たいし…
駅まで2分なのに
なかなかハードだった。
改札に、翔が立っていた。
柱に背中を預けて、
携帯を見ていた。
「おまたせ。はい、これ。
前に私が買ってきたお土産のお酒とか
翔が買ってきたお酒とか入ってるから
けっこう重いよ。気をつけて。」
すると、翔は、
「いいよ、持って帰らない。」
と、言った。
「え、じゃあ何のために来たの?
この荷物どうするの?」
「自分勝手に別れるとか言うから…
荷物はここに置いて帰る。」
「はぁ…」
思わず、ため息。
