
私の心の1番綺麗なところに
第30章 晴れやかなこころ
「こんな所に置いていても
駅員さんに迷惑かけるだけでしょ。
あんたの荷物なんだから
持って帰ってから捨てるなりどうとでも
すればいいじゃない。」
なかばあきれ気味で言った私に、
彼は無言で荷物を持ち、
わたしに背を向けて
駐車場に向かって歩き始めた。
私のマンションも駐車場と同じ方向
だから、後を追う。
だいぶイライラしていたけれど…
「最後なんだから、そんな態度
とらないでよ。
そっちの方が、自分勝手だよ。」
と、声をかけた。
すると彼は立ち止まった。
「ひとつ聞いていい?」
「なに?」
「なんで別れようと思った?」
