私の心の1番綺麗なところに
第32章 恋と呼べそうで呼べないもの
「うん、ぜひ。
私も久しぶりに会いたい!」
「澪ちゃんは今どこで働いてるの?」
「○○県で塾の事務してる!
まっつんは?」
「俺は地元の△△銀行てとこ!
近いから会いやすいね。」
私の悪かったところは
彼の勤務先を聞いたときに
彼に対する意識が変わってしまったところ。
良いところに就職したなぁ
この人と付き合って、結婚したら
将来安定だろうなぁ
なんてことを考えてしまった。
ただの【友達】として
彼のことを見れなくなったきっかけ。
最低だと思う。酷いと思う。
だけど、この頃の私は
愛よりお金だった。
愛がなくても
経済力さえあれば
穏和な人生になる。
愛があっても
経済力がなければ
何も芽生えない。
愛が永遠に続くとは思えない。
愛が永遠に続くためには
ほどほどに経済力がなくては
いや、安定した生活のためには
愛なんていらない。
そう、思っていたのだから。