ふたり、溺愛中
第8章 休日に、ふたりだけの甘い時間を
「おはよ、悠さん」
「ん……」
まだ夢の中にいるだろう悠さんに、私は唇を重ねた。
毎晩遅くまでお仕事で、朝寝坊は仕方ないの。
それに社長さんのお仕事は現場だけじゃないみたいだから、時間外であっても、なかなかお休みもなくて大変だよぉ。
だから、たとえ毎日ひとりぼっちの時間を過ごす事が多いからって、私もわがままなんて言わないようにしなくちゃだもんね。
…そんな生活が、もう何日経ったのかなぁ。
ちゅっ
ちゅっ
ちゅーっ
「もぉ、やっぱり起きないよぉ!
でも…」
朝起きたら私が眠ってる悠さんに、夜寝るときは悠さんが眠ってる私にキスをしているの。
それが、お互い時間にすれ違いがある私たちの、ちょっとした愛情表現なんだよ。