ふたり、溺愛中
第9章 紫のスーツの彼は
____カタン
パタン
真っ暗なベッドルームに、玄関からの物音が聞こえてきた。
悠さんが、帰ってきたんだ。
(…………………………………っ)
あれから胸のモヤモヤは、治らないままだった。
現実が受け入れられなくて、心がキュウっと締めつけるの。
何もする気になれなくて、そのままベッドの中でうずくまっていたんだけれど、眠れないまま時間だけが過ぎていったみたい。
そして悠さんが帰ってきたって事は、もう随分遅い時間になってるハズだ。
だけど…どうしよう。
悠さんと、どんな顔して話したらいいのかわかんないよぉ。
「……優」
(________っ)
ベッドルームに顔を覗かせた悠さんが、私の名前を呼んだ。
もしかして、あの時あの場所に私がいた事、バレてたのかな。
知っちゃいけない悠さんの秘密を知っちゃったから、別れようって言われるんじゃ……………っ
やだっ
どうしようー!