ふたり、溺愛中
第10章 思いきり、愛してあげるの!
「…んー……」
寝不足で、目がシクシクする。
でも日頃の習慣で、朝になれば同じぐらいの時間に目が覚めるの。
「…おはよう、悠さん」
私のすぐ隣には、まだ眠ってる悠さんがいる。
遅い時間に帰ってきたから、今はまだ夢の中なんだろうね。
「………」
顔を近よせ、そっと唇を重ねた。
つい数時間前に、悠さんが私にしてくれたように。
「おかえりなさい」
昨夜は、私に「ただいま」って言ってくれたもんね。
今まではずっと寝てたから知らなかったけど、悠さんも私にそうしてくれてたんだ。
でも……
あの時見たふたりの影は、夢なんかじゃない。
お仕事してるフリをして、本当は違う事をしていたの?
…そんな事、こわくて聞けないもん。
でも本当にそうだったら、絶対いやだよぉ!