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ふたり、溺愛中

第14章 紫の憂鬱

「小鳥遊 悠と言います。
よろしくね」




お見合いの席で目の前の彼女にそう言うと、彼女は僕の顔を見てポーッとしていた。

まぁ、どうせ見とれてたってとこだろうね。


女性なんて、顔以外はみんな同じだ。





「相沢 優さんとおっしゃるのですね。
名前の読みが僕と一緒だ。楽しい偶然だね」




相手の名前を確認して、僕はそんな話題を投げかけてみた。


彼女もユウか…。
だとすると、まるでお互いが自分を呼びかけるみたいな響きだな。



なんて事を思いながら彼女の顔色を伺ってみたのだが、そんな彼女の反応に驚いてしまった。




何て言うか、話題には食いつかないし、もう視線もあさってを向いていて、まるで僕には興味もないような様子だ。


まさか、この僕とお見合いの席にいて、興味もわかなかったと言うのか?








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