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ふたり、溺愛中

第4章 幸せな贈り物





結局、ふたりでマンションを出たのはお昼前になっちゃった。


ブランチを外で食べて、それからショッピングモールに来たの。




今は、昨日から小鳥遊さんが言ってた、指輪選び。




「ひぇぇ…」


「値札なんて見なくていいよ。
優が欲しいと思うものを、遠慮なく選んでね」





キラキラと輝く色とりどりの宝石が目に眩しい!

でも本当に眩しいのは、そのすぐ側にある値札の0の数なわけで。





ええと、いち じゅう ひゃく せん まん じゅうまん…ひゃ、ひゃくまん!?





「た 小鳥遊さぁん…」



いくら結婚指輪でも、あんな立派すぎるものこわくて持てないよぉ。

多分いただいたところで、タンスの奥深くにしまいこんでおくような気がするもの。






「いいからいいから。
優はどの石が好きだい?」


「うーん、宝石はよくわからなくてぇ…」





独身時代からも、ほとんどおしゃれはしなかったから、そもそも興味がないんだよね。




でも私の為にプレゼントしたいって言う小鳥遊さんの気持ちも嬉しいから、応えたいのもあるんだよ。


だけど、いくら値札なんて見なくていいと言われても、本当に欲しい!と思わない限り、みだりにもらいたくないよぉ。





「あ」



私は隣のショーケースに気付くと、そっちの方へと足を向けた。








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