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ふたり、溺愛中

第2章 初めての、夫婦生活

結婚による特別休暇で、これから1週間は小鳥遊さんはお仕事がお休みになった。

私は(かなり強引に)寿退社なんだけどね。




「よいしょっと。
ごめんなさい。いっぱい買い物しちゃった」




あの後、生活に必要なものを小鳥遊さんとふたりで買い物し、そのまま外で食べて帰ってきた。


あまりに急な結婚だったから、式とか新婚旅行とかそんな計画もたててなく、とにかく生活していくためのものを揃えなきゃと、まずは買い物をしてきたわけなのだ。





「指輪、見れなかったね。
明日には必ず、良いダイヤをプレゼントするよ」

「あ あんまり高いものじゃなくていいよぉ」

「遠慮しちゃだめだよ。
僕たちの愛の証なんだから、一番良いものにしなくちゃね」

「う うん…」



お金持ちの社長さんって話は聞いてたけど、やっぱり言うことが違うなぁ。

私は値段よりも、気に入ったものがいいんだけどな。





そんな事を言いながら買ったものを部屋に置くと、時計の針はもう21時をとうに過ぎていた。



「遅くなっちゃった。
お風呂、沸かしてくるね」

「あぁ、ありがとう」



私は(まだ慣れない自宅の)バスルームに行くと、お風呂の用意を始めた。




(ホントだ。
小鳥遊さんが言った通り、会話も夫婦になっていってる気がする)



金銭感覚はちょっと違うかもしれないけど、優しい人だし、小鳥遊さんとの結婚も決して強引でも間違いではなかったかもしれない。


男運のない私の結婚は何もかもが初めてだけど、ゆっくり夫婦になっていこう。



そう思った私は、またしてもその初めてに心臓の試練が待ち受けているのだったぁ……!







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