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ふたり、溺愛中

第5章 ひとりぼっちで×××

______カタン




「!!」




突然の物音に、飛び上がりそうなくらいの勢いで驚き手を引き抜いた。



玄関のドアが閉まる音だ。




「悠さん!!」



弾かれたようにベッドから起きると、私は急いで玄関の方へと走った。





帰ってきた!
帰ってきた!

悠さんが帰ってきたぁ!







「優、ごめん遅くなっ…わっ」




愛おしいその姿を見つけるや否や、私は構わず胸に飛び付いたのだ。





「…どうしたんだい?
何かあったの?」



心配そうに声をかけてくれる悠さんに、私はただただ首を振る事しかできなかった。




胸に顔を埋め、しわになりそうなくらいスーツ越しに抱きしめる。


よかった。
帰ってきてくれた。

とにかく今は、それだけだったの。








「優、黙ってちゃわからないよ。
何があったの?」



「…ス してぇ」



「え?」


「強く強く、抱きしめて。
それからキス、して!」






顔を上げて悠さんを見ると、視界がグニャリと歪んでいた。


いつの間にか涙まで出てたんだぁ。









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