暗闇の中の一等星
第4章 暗闇の中の一等星―真治の過去―
天体観測を始めて三年目、一昨年、真治は今の恋人の紗希と出会った。
天体観測から真治がマンションに戻ると十階に紗希がいて声をかけた。
「どうしたの?」
「流れ星……見たかったの。でもこんな薄汚れた場所じゃ見えるわけないよね」
紗希は寂しそうに俯き去って行こうとする。
「待って!」
真治は大声で紗希を呼ぶ。紗希は振り返った。真治は続けて言う。
「来年の今日、ここで待ってて。流れ星の写真、持って帰って来るから」
真治はそう言うと一枚の星の写真を渡した。紗希はにっこり笑って去って行く。
天体観測から真治がマンションに戻ると十階に紗希がいて声をかけた。
「どうしたの?」
「流れ星……見たかったの。でもこんな薄汚れた場所じゃ見えるわけないよね」
紗希は寂しそうに俯き去って行こうとする。
「待って!」
真治は大声で紗希を呼ぶ。紗希は振り返った。真治は続けて言う。
「来年の今日、ここで待ってて。流れ星の写真、持って帰って来るから」
真治はそう言うと一枚の星の写真を渡した。紗希はにっこり笑って去って行く。